新英研Overseas会員とのオンライン懇談会(第4回)

日 時:2023年4月29日(土)午前11:00~12:10[*zoomミーティングにて]

発表者:中垣 尚子さん(カラチ日本人学校[在パキスタン]教師)(三重県中学校教員)

報   告:「異学年で取り組む英語学習」 

内 容:

*英語授業の様子:①週に8時間 ②ALT2人(パキスタン人) ③習熟度別グループ編成

小学生・8人、中学生・2人の計10人。昨年度の会話テストの結果をもとにクラス分け(ビギナー・ミドル・ジュニア):ALTが主導で授業を展開。1. 自己紹介クイズ、2. 道案内、3. Guess what、4. 英検練習

* 一斉授業で行ってみた感想:

・リスニングには慣れている児童生徒が何人いる。

・週8時間あり、ALTが常にいるためALTと会話をするのに抵抗があ る児童生徒は少ないように感じる。

・できる児童生徒が良かれと思ってすぐに日本語に訳してしまう。

・低学年にはインプットをメインに行う必要がある。

・高学年からは文字指導も必要なので、2グループに分ける必要がある。

・2人のALTがいるので、3グループに分けるか、TTを上手く組めるとよい。

・英語の能力以外にも経験値や発達段階の差が大きすぎて、一緒に行うことが難しい。

・一斉授業の中で場面によって分けて練習も行ってみたが、差が出るので時間差を埋めるのが大変だった。

・文法の説明をしなかったり、文字を介さずに指導する難しさを感じた。

*今後に向けて

・最低2グループに分ける。

・3時間目をインプットの時間、4時間目をアウトプットの時間に設定する。

・保護者の要望は「英語を話せるようにしてほしい」:焦らずにパターンプラクティスなどのインプットも丁寧に行う必要がある。

・小学生 Let’s tryの文法事項を抑える。

・1週間単位で月曜日にテーマとゴールを示し、木曜日に確認テストを行う。

*来年度に向けて

・3グループで ①Let’s try ②小学校外:国語 New Horizon ③中学校:英会話・small talk・自己紹介を

 

懇談会参加者による感想

*授業作り、生活面、さまざま大変なこともある中で中垣先生が明るく果敢にがんばっていらっしゃるのがとてもすばらしいなと思い感動しました。後半のパキスタン生活の話をまた詳しく聞く機会があったら嬉しいです。またやってください。

 

* 貴重な機会をありがとうございます。6年担任、教科担任制で外国語を担当しています。主に英語を学ぶ動機や、必然性を見つけるのに困難で、パターンプラクティスにならないようにしています。教師であるわたし自身が、日本にいるだけであり、外国語を担当するのでインドの文化や手のデザイン 日常生活を知ることができて視野が広がりました。

 

* 中垣さん、ありがとうございました。 治安状態が心配な中で、どのようなようすなのかと思っていましたが、お話をおききして ようすがわかりよかったです。大変な状況の中でタフに生活しておられることに感嘆しました。またお話できればと思います。

 

* 今日はありがとうございました。これまでパキスタンや日本人学校の現状について知る機会が限られていましたが、現地にいらっしゃる中垣さんだからこその興味深いお話を伺えて、とても充実した時間でした。お忙しい中、スライドや写真までご用意いただき、また質問にお答え下さってありがとうございました。ご報告を聞いて、大変なご負担のある中、色々工夫をしながら頑張っていらっしゃるご様子に頭が下がる一方、文科省の日本人学校に対する理不尽な扱いや現地任せの運営体制に呆れました。ぜひ今後もやり取りを続け、情報交換をしていきましょう。なおどうぞ余り無理しすぎず程々に頑張ってください。そして、現地での交流も楽しんでくださいね。

 

* ガードマンと一緒でないと外出もできないなど、日本からは考えられない状況の中の教育実践、興味深くうかがいいました。また小規模校の中での異年齢集団でどう教育が行えるのか、これも深く考えさせられました。

 

* 異学年の生徒に英語指導をなさった苦労話を披露されて興味深かったです。

 

* 率直な感想やご苦労が聞かれ、大変印象的でした。困難なところで進んで子どもたちを教える姿勢に打たれました。どこに居てもひるまない不屈の意志を感じました。

 

* 大変にお忙しい中、授業などの整理され分かりやすいパワポや、現地の様子を伝える写真の数々をご用意いただいて、パキスタンという遠い国について、リアルに知ることができ、大変な状況とともに、現地の人々への親しみも感じました。また、海外日本人学校といっても、現地の社会政治状況、学内の人間関係などに様々な違いがあり、千差万別であることを知りました。小1から中学3年まで、発達段階が大きく異なる生徒たちを相手に、小学生の算数や技術家庭その他まで、教えていらっしゃるということも、本当に驚きで、ご苦労がしのばれます。どうぞお身体を大切になさってください。小さな離島での英語授業や、青年協力隊で行かれたという国(キルギスタン?)のお話も、いつかお聴きできれば、嬉しいです。